望遠鏡選び |
とりあえず欲しいけど何を買えば良いか分からない場合は、目的によって選びましょう。 鏡筒にはいろんな種類がありますが、それぞれ長所や短所があります。それを知って選べば 買った後に後悔しないはずです。注意したいのは、カタログなどに掲載されている天体の写真 (こんな風に見えますというように望遠鏡の隣にある写真)には惑わされないことです。それは あくまでも写真であって、目で見たイメージとは全く異なります。惑星は目で見た方が写真よ りもずっと鮮明に見えますが、星雲は全く見えなかったりします。ポイントは「実際にのぞい てみる」ことが望ましいのですが、一般の店頭では夜に星を見ることは不可能に近いですので、 アマチュアの機材で代用できればそれがベストです。お探しの鏡筒と同じものを会員が所有し ている場合は、実際に天体を見せることも可能ですのでお気軽にご相談下さい。 下の表は望遠鏡の種類と私がお奨めする天体を示していますが、例外もありますのでご了承 下さい。 ※これはあくまでも私的評価であって、どの望遠鏡が良いとか悪いとかを決めるものではあり ませんので、誤解の無いようにお願いします。
種 別 | 太陽 | 月 | 惑星 | 星雲 | 星団 | 彗星 | 流星 | 屈折型 |
◎ | ◎ | ◎ | × | ○ | △ | × | 反射型 |
× | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | × | カタディオプトリック型 |
◎ | ◎ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | × | コンパクト型 |
◎ | ◎ | △ | × | △ | × | × | 双眼鏡 |
× | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ (痕) |
種 別 | 設置性 | 操作性 | 追尾精度 | 総重量 | 写真撮影 | 経緯台 |
○ | ○ | △ | ○ | △ | 赤道儀 |
△ | ○ | ○ | △ | ○ |
全体的に 不景気の時期、予算が先に来てしまうのが現実問題ではないでしょうか。子供が望遠鏡を欲しがる から買ってあげるということで、手始めに安いものや小さいものを買ってしまうと、口径が小さく て月しか見えないとか、架台が弱かったり微動装置が無いので天体の導入すらできないなど、がっ かりして興味を持たなくなってしまうこともあるでしょう。そこで、後悔しないための望遠鏡選び を時間をかけて行うのが良いと思います。 鏡筒+架台の一式を予算だけで考えると、 2万円以下・・・新品でこの販売価格ならマトモなものはまず無いと思います。 中古でも「これなら使える」と思えるものはなかなか見つかりません。鏡筒のみ、 または赤道儀のみであれば見つかります。この金額を出すのなら7×50などの 双眼鏡と三脚のセットでも買った方が稼働率が高いと思います。 2万〜5万円・・・この値段なら比較的使えるものがあります。じっくり探せば中古などで掘り出し 物が見つかるかも知れません。 5万〜10万円・・・1ランク上のものを低価格化したイメージという感じでしょうか。 慣れてくると物足りないと思うようになります。グレードアップが難しい機種も ありますので、良く見て検討しましょう。 10万〜20万円・・・ここまでくればさすがに粗雑なものはありません。将来オプションを追加でき たり、機械的・光学的にしっかりした作りのもので安心して使えます。 20万〜100万円・・・自動導入装置を備えていたり、高級なレンズなどを使用していたりします。 予算の都合さえつけばすぐにでも素晴らしい写真が撮れるようなシステム構成に することもできます。マニアと呼ばれる人の多くはこのクラスを望んでいます。 100万円以上・・・自宅に天文台を持っている場合は、このクラスのものがほとんどです。小さな 公共天文台よりも立派な機材を揃えている人が多くなってきました。 値段が全てではないのですが、家電などとは違い大量生産するわけではないので価格は安くは ありません。しかし、大切に扱えば一生使えるものなので、考え方次第では安いと言えるかも 知れません。予算的に問題がある場合は中古品や新古品などを検討すると良いでしょう。中古 でも新品同様のものもありますし(値段は少し高い)、展示処分品でも性能的に全く問題は ありません。